コルセットに翼

コルセットに翼 もとなおこ
秋田書店
BookLive! BookLive! 432円

作品解説

『コルセットに翼』(コルセットにつばさ)は、もとなおこによる日本の漫画。『月刊プリンセス』(秋田書店)にて、2007年9月号から2011年12月号まで連載された。

プリンセスコミックスより、単行本全10巻。

2012年、第16回手塚治虫文化賞ノミネート、『このマンガがすごい! 2012』のオンナ編48位にランクインした。

コルセットに翼 出典:Wikipedia

読者レビュー

「コルセットに翼」のレビュー
総合評価:5つ星のうち 4.2
5つ星のうち 4.2(amazonより)

5つ星のうち 4.0

100年前の女子寮モノ

19世紀末から20世紀初頭のイギリス。
両親を亡くした少女クリスは、親戚の手で寄宿学校へ預けられた。
けれどその寮は、非情な校長デスデモーナによって
厳しく管理されており。。。

おおらかな父親に育てられたクリスは、気丈な女の子です。
保護者を失って自分の無力を思い知り、
知識という武器を得たいと渇望しています。
デスデモーナの寄宿学校で、同じような境遇の少女たちと出会い、
ともに水面下で闘いながら、生活します。

前作「レディー・ヴィクトリアン」より約20年後のイギリスが舞台です。
主人公が十歳くらいなので、恋愛は基本なし。
幼馴染の少年と、ちらっと出会った印象深い男性はいますが、
今はまだ恋愛よりも、学校寮モノとしてすすんでいます。
少女たちの共同戦線がたくましくてかっこいい。
クリスの両親に関する謎もあり、今後も楽しみです。

投稿者:九月 投稿日:2008年1月16日

5つ星のうち 5.0

今後が楽しみな一冊。

育ての父親(ちょっと炉r)が他界し「何処の馬の骨とも分からん子が」と親戚から厄介払いのように、寄宿舎付女学校へ送られることになった主人公クリス。

だがそこは、外面に反して監獄のような場所であった。教師ミス・デスモデーナが絶対的権力を握る、びっしりと鎖が巻きついた空間。生徒たちには自由に話す権利も、学ぶ権利もなかった。
たまたま一期一会で鳥の羽根の解釈「彼らは飛ぶためのメカニズムを持っているから飛べるんだ」といった話を聞き、そのことも忘れられなく、もとより学習意欲旺盛、頭の回転も早いクリスは深く落胆するが……

――これはあくまで私の推測なのだが、この場は女学生の卒業後にある程度の階級の者に嫁入りしやすくするような、旧態依然とした女性像という「鋳型」に入学者たちをはめこむ意図があるのではあるまいか。そして「わたくしが教育しまして」などと送り出した見返りにと……いやはや吐き気のする話です。ただ「少女性」の価値が人類史上もっとも高かった期間のひとつであるヴィクトリア時代を考えると、単純にそれだけとも考えづらいが、ミス・デスモデーナのキャラが非常に徹底して目的が見えないくらいに冷酷でヒステリックであることは間違いないのですが。

だがそんな監獄に騙し討ち同然に放り込まれた少女たちという構図ゆえに、よくある女学校モノのような階級イジメといった場面はまったく見られません。逆に学習を許された3人「特待生」をトップに、生徒たち皆が「見えない場所で」助け合い団結して、ミス・デスモデーナの裏をかく――そういった力強さと秘密基地的なハラハラ感はなかなか他の(特に少女)漫画では見られないと感嘆しました。

紋切り型にゆくなら、逆境に置かれた主人公の少女漫画では「王子様」的存在が出るべくして出るわけだが、この作品は閉鎖空間が舞台+手紙も燃やされているという性格上、今のところは完全閉鎖空間の中。その分「同性の仲間たちの団結」に注力して描かれている。女の子同士の友情――というより同盟ですが、話がお好きな方にはぴったりかもしれません。

巻末も次巻を示唆する気になる内容で「さあこれをどう乗り切るだろう」と、今後も非常に楽しみな一冊です。

投稿者:三枚羽の地鶏 投稿日:2008年9月13日

5つ星のうち 4.0

今後の展開が楽しみ

 両親を失った少女が、厄介払いに厳しい女学校に放り込まれて、という実にありがちな設定といかにも少女漫画な絵柄だが、どうしてどうして、大人に読ませて考えてもらいたい要素に満ちあふれている。主人公クリスの出生の秘密、母親の形見の大きな古めかしい鍵、ほんのいっときの出会いで彼女に生きる知恵をさずけてくれた青年など、魅力的な謎に満ちた出発でもある。ちょっと恩田陸の「麦の海に沈む果実」を思い出した。続きが楽しみな作品だ。

投稿者:ホレイシア 投稿日:2008年6月12日